「クラウドー」

「……」

「クラウド」

「……」

「そろそろ作業、休憩しておやつでも……、あ!」

「……。ティファ……」

「ご、ごめん! お昼寝してたの気づかなかった。起こしちゃったよね」

「、いや……」

「ごめんね、寝てていいよ。それとも何か飲み物いる?」

「…ううん。…ティファ」

「ん?」

「…飲み物はいいから、ここにいて欲しい」

「え? ……あ。そうやって、お昼寝の巻き添えにしようとしてるでしょ」

「……」

「そうはいきませんからねー」

「……」

「……」

「……」

「…も、もう! わかったから、そんな目で見ないで」

 

 

(…勝った)

 

 

「もー……こんなつもりじゃなかったのに」

「……。一緒に横になればいい」

「だ、だめだよ。そんなことしたら、ほんとに寝ちゃうじゃない」

「…寝てもいい。どうせティファも、休憩するつもりだったんだろ」

「でも、コーヒー淹れちゃったから」

「…後で飲む」

「淹れたてのほうが美味しいのに」

「……それより、今はティファと休みたいんだ」

「…うう、おねだりしたら許してもらえると思って……」

「…寝ないのか? ティファ」

「ね、寝ません」

「……それなら」

「?」

「…膝」

「ひざ?」

「……膝枕」

「ええ? 自分の枕、あるじゃない」

「……。…これは寝心地が悪い」

「うそばっかり。長年愛用してるくせに……」

「…ティファ、頼む」

「も〜……」

 

 

(……勝った)

 

 

「……」

「……」

「……。はい。満足?」

「…うん……」

「幸せそうな顔しちゃって……」

「…これを幸せと感じず何を……」

「ん?」

「…いや」

「……。…昨日も、遅かったね」

「?」

「帰ってくるのが」

「ああ……」

「…どう? 最近、忙しい?」

「…ああ。遠方の依頼が重なってな」

「そうなんだ。大変だね……」

「そっちのほうが報酬が高いから、効率はいいんだが」

「疲れちゃわない?」

「…旅をしていた頃と比べたら、造作ない」

「ふふ、あの頃みたいにもう、若くないぞ」

「…ティファはずっと綺麗だ」

「もう! はぐらかさないの」

「……。俺は元気だ。だから」

「?」

「ティファも仕事、あまり無理しなくていい。俺が頑張るから、休みたいときは休んでいい」

「…そっくりそのまま、同じセリフをお返しします」

「ティファ……」

「いつでも大黒柱になる覚悟、できてますから」

「……。頼もしいけど、そうさせないように頑張る」

「あはは。…でも、本当に無理はしないで」

「……」

「…私がこういられるのは、クラウドがいてくれるから、だと思うから」

「……、俺も」

「?」

「…そっくりそのまま、ティファに返す」

「ふふ……ありがと」

「……なあ、ティファ」

「なあに」

「…やっぱり、ティファも横になろう」

「あはは、やっぱり、って何?」

「…ちゃんと休むために、俺にはティファが必要なんだ」

「ここにいるじゃない」

「…ちゃんと、腕の中にいて欲しい」

「……は、ハグってこと?」

「…うん」

「……。…し、仕方ないなあ」

「…ありがとう、ティファ」

「……。あとで、冷たくなったコーヒー、一緒に飲んでくれる?」

「…ああ。喜んで付き合う」

 

 

 

 

 

(…勝てないな、)

 

 

 


fin,