「……、…ねえクラウド」

「……ん？」

「…キスに、相性があるって……知ってた？」

「…相性？」

「うん。合う、合わないがあるんだって。人によって」

「…誰が言ってたんだ？」

「お客さんが話してるの、聞いちゃったの。勝手に」

「ふ……」

「なに？」

「いや。ティファは、スパイもできるかもな」

「も、もう。……悪いとは思ってるんだけど、つい聞き耳立てちゃって」

「いいさ。店主の特権だ」

「……。ねえ、クラウドは、わかる？ 相性とか」

「そうだな……体の相性、みたいなのに近いのかもな」

「そ、そっか……。体も、そうだよね」

「……」

「…私、わからなくて。その、クラウドしか知らないから」

「……俺以外知らなくていい」

「ん？」

「いや……それを言うなら、俺も同じだ。ティファしか知らない」

「…キスも？」

「？ ああ。……経験豊富に見えるか？」

「ふふ、ごめん。クラウド上手だから、つい」

「……。…ティファは」

「なに？」

「…ティファは、俺と相性がいいと思うか？」

「え？ あ……う、うん。勝手に、そう思ってる……」

「…よかった」

「……クラウドは？」

「俺は、もちろん。許されるのなら、ずっとしていたいくらいに」

「…………」

「…ティファ。顔が赤い」

「もう、なんで言うの」

「ごめん……かわいくて」

「……。好きだから」

「ん？」

「…好きだから、合うのかな？」

「…そうだといいな」

「うん……」

「…でも、もし、そうじゃなくても俺は嬉しい」

「…どうして？」

「…気持ちだけじゃなくて、体も、全部合うなんて、まるで……」

「……運命？」

「……。うん」

「ふふふ」

「……」

「確かに、嬉しいね」

「…ああ」

「…じゃあ……今後とも、よろしくお願いします」

「……。ふつつかものですが」

「ふふ……」

 

 

 

 

ふつつか、ふたり