酔っているので普段言えないこじれた部分を暴露する。
「クラウド、ここだけの話」
「うん?」
「私、今あなたがいなくなったら、もぬけの殻になる」
「…もぬけの殻か」
「そう。外側はあるけれど、中身はなくなるの。すぽんって、そっくりそのまま抜けてしまうの」
「…抜け出したティファはどこへ行く?」
「さあ……どこだろう。きっともう、どこでもいいから、そのあたりを彷徨ってると思う」
「それは困るな」
「うん、困っちゃう」
「……。なあ、ティファ」
「?」
「…俺にとっては少し寂しい知らせなんだが」
「…なあに?」
「ティファはきっと……俺がいなくても大丈夫だ」
「……嫌。私にとっても寂しいお知らせ」
「ごめん。でも、ティファはティファが思っているより強い。ここだけは譲れない」
「ふふ……私が弱いことを、クラウドが許さないの?」
「ティファは弱くないからな」
「…そんなことないよ、私」
「…ティファが自分で弱いと思っている部分は、本当は弱さなんていう名前じゃないんだと思う」
「どういうこと?」
「ティファのそれは、厳しさだ。自分に対する。優しすぎるんだ、その分周りに対して」
「……また甘やかすんだから」
「ティファが好きだからな。仕方ない」
「ふふ……」
「……それに」
「?」
「……ティファがいなくなって、もぬけの殻になるのは俺だ」
「……きっとクラウドは大丈夫だよ」
「…本当にそう思うか?」
「だって……クラウドのことを大切に思ってる人は沢山いるし、クラウド、強いから。心も身体も。あなたが思っている以上にずっと」
「…それは全部ティファがいるからだ」
「そんなことないよ。私は自分がここにいたくているだけだもの」
「……ティファがそう言ってくれるのがそもそも奇跡なんだけどな」
「もう……すぐそうやって煽てる」
「俺は真剣に言ってる。……ティファが一番知ってるだろ」
「…なにを?」
「…物心ついた頃から今までずっと、俺が誰を目標にして、誰に認められたくて、誰と一緒にいたくてここまで生きてきたのかを」
「…………」
「……そんな男が、二十何年も求め続けてきた人を失ったら、どうなるかはわかるだろ」
「…う………。…まだ信じられないんだもの」
「まだ?」
「……だって夢みたいだったから」
「…そうか。……参ったな」
「?」
「あれ以上、心の内を開示する方法がない」
「ふふ……確かに、それはそうだね」
「…まあいい。信じてもらえるように俺がもう少し頑張れという話だ」
「……私も頑張る。自信を持てるように」
「…ティファはもう頑張ってるよ」
「…出鼻をくじかないで」
「ふ……すまない」
「……」
「……」
「………ねえ、クラウド」
「…ん?」
「……クラウドがもぬけの殻にならないように、私ここにいるから……だから」
「……わかってる。俺もティファのそばにいる。ティファの心が、どこかにいかないように」
「…お願いします」
「…でも、覚悟した方がいい」
「え?」
「俺は多分、追い払われてもついていく」
「ふふ……困ったなあ」
「…うん」
「……」
「困ったな……ティファ」
「…困ったね、クラウド」
「……」
「……」
「……今日はもう寝るか」
「うん、そうしよう。……明日になったらきっと、困ったことも忘れるよ」
「……そうだな」
「…おやすみ、クラウド」
「おやすみ。ティファ」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「………ここにいて」
「……ここにいるよ」
饒舌
fin,