その目が狼になる瞬間、自分の性がクラウドを求めていることを強く自覚する。

 

みんなといるときには見せない我を忘れたような必死な表情。うなじを伝って首筋を、耳のあたりを舐めるときに聞こえる、すでに荒くなっている息遣い。痛いと感じてしまうほど強く私の腕を握る手も、断りを入れる前に肌をすべる指や手のひらも、何もかもが隠れた性の起爆剤。

 

「っ、…ま、待ってクラウド」

「……」

「私逃げないから、」

「…ごめん。待たない」

「……、」

「ティファ…、今すぐ欲しい」

 

お昼の営業前の店内。真夜中でも満月でもないのに、クラウドを狼男にしてしまったのは一体何が原因だろうか。

彼が三日ぶりに帰宅したこと? 帰ってきてくれたことが嬉しくて珍しく私からキスをしてしまったこと? 二人きりなのをいいことに、遠慮なく抱きついてしまったこと? 思い当たる節はそれなりにある。だけど、どれもこれもきっと大きな要因ではない。

いつもより荒々しく始まる愛撫。クラウドの首筋に顔を埋めて、必死に声を我慢する。

クラウドのくれる熱すぎる体温に導かれて、私の体はどんどん火照っていく。これはもうごまかしが効かない。クラウドを求めていることを、これ以上秘密にはできない。

 

「あ……」

 

目を閉じて快感にひたっているあいだに、あっという間に降ろされる胸のチャック。着ている白いタンクトップから透けて見える、うすむらさきをした下着の色を見て、頬は急に赤くなる。こんな色を身につけて、まるで誘っているみたいじゃない。こうなるずっと前から。クラウドの帰宅を一人で待っていたときから。

 

(……そっか)

 

クラウドに火をつけたのはきっと、久しぶりの再会でも、私からのキスでもない。

もっともっと奥深い。目には決して見えないけれど、もっともっと、人間的な。

 

「…、クラウド」

「……ティファ。…いいか」

「………いいよ」

 

とろとろに私に欲情する美しい人に見惚れながら、たまった息をつく。冷静に考えられなくなっていく思考回路の原因が、煩悩でも本能でももはや何だっていい。

あなたは私が欲しくて、私はあなたが欲しかった。よくないことをしてしまう言い訳は、たったそれだけでいいのだから。

 

 

ベリーペリ

 

 


fin,