あのこのはなし。

 

 

 

「ふう! お隣失礼しまーす」

「…エアリス。……ティファたちは?」

「みんなで宿探し、行ってくれたよ」

「…そうか」

「クラウドがそれ、一生懸命磨いてるうちに。気づかなかった?」

「ああ……」

「…剣、だいじょうぶ? さっきけっこう傷、つけられてたけど」

「大丈夫だ。なんとかなる。……エアリスは一緒に行かなくてよかったのか? 街の中見るの好きだろ」

「うーん、それがですねえ。クラウドさんに込み入った話がありまして」

「込み入った話? ……、今度は誰に狙われてる? 神羅の人間か?」

「違う違う、そんなぶっそーな話ないよ」

「……。…じゃあ、なんだ」

「ティファのことなんだけど」

「ティファ? どうした、何に困ってる」

「クラウド。人の話、最後まで聞いて」

「……すまない。……ティファがどうかしたのか」

「ちょっと疲れてる気、しない? ご飯食べてるとき、ぼーっとしてたり、話しかけても上の空だったり」

「……。いつから感じてた」

「んー、一昨日くらいからかな」

「俺もだ。……戦っている最中、いつもより動きが鈍いと思っていた。ため息も多い。……ティファに訊いてもはぐらかされたけど」

「さすがクラウド、見てるねえ〜」

「……。…それで? エアリスは何か聞けたのか」

「ううん、わたしもそんな感じ。大丈夫って、それだけ」

「……どうしたらいいだろう」

「ね、そこでリーダー、提案なんだけど」

「ああ」

「ちょっとここで長居、しない? 急がなきゃいけないの、わかってるけど」

「…そうだな。まだ無理をするときじゃない」

「うんうん。それでわたし、ティファともう少し話、してみる。何か悩んでるかもしれないから」

「頼む。……こういうことはエアリスにしか頼めない」

「そう? クラウドが訊いてあげてもティファ、喜ぶと思うよ」

「俺は……そうしてやりたくても、うまい方法をしらない」

「ええ? 上手いも下手もないない。気持ちだよ、気持ち」

「……一番苦手だ」

「うそ。気持ちなら人一倍、あるくせに」

「……」

「わたし、負けませんからね」

「…なんの話だ」

「クラウドとの競争」

「何の」

「さあ何でしょうねえ。今夜はわたしの勝ち、ね。二人でご飯、食べるから」

「……。…なら、明日は俺だ」

「明日、くっついていっちゃおうかな〜」

「だめだ。俺がティファに話を訊く」

「ふふふ……」

「? 何がおかしい」

「何でもないよ。明日ティファのこと、よろしくね」

「……ああ」

 

 

 

 

あのこと、はなし。

 

 


fin,