「……。……もしもし?」

『…ティファ?』

「うん、私」

『…よかった。お疲れ』

「うん、おつかれさま」

『今、大丈夫だったか?』

「だいじょうぶ。子どもたちも少し前に寝たよ」

『それならよかった。……すまない、今日帰れなくて』

「いいよ、気にしないで。遅くまで大変だったね」

『ああ……』

「問題は解決した?」

『した。明日の昼前には戻れると思う』

「よかった。怪我してない?」

『…心配かけるほどのものは、してない』

「ということは、ちょっと怪我したんだ」

『大丈夫だ。明日には治ってる』

「もー。いつまでも若くないぞ」

『…そうだな』

「ふふ……でも、なんだかいいね」

『ん?』

「こうやって、1日の最後に電話するの」

『…そうだな』

「なんというか……家族っぽい?」

『…ぽい、じゃなくて、家族だ』

「ふふ、うん。わかってるよ」

『…でも、ティファの言うことはわかる。……まるで家族だって気持ちも、わかる』

「うん。……嬉しいね」

『…ああ。……、いつ、慣れるかな』

「ん?」

『…ティファと家族になれたことに、いつ慣れるかな』

「そうだね……ずいぶん経つのに、まだ慣れないよね」

『うん……。まだ、喜べる』

「ふふ、私も」

『…本音を言うと』

「うん」

『…慣れたくはないんだ。……ずっと、今の気持ちのままでいたいと思ってる』

「…うん、わかるよ」

『だけど、そのせいかずっと、宙に浮いたような気分なんだ。これを現実だと受け止めるのが、まだ怖いのかもしれない』

「そうだよね。手に入れたものはいつか……」

『…ああ』

「……。でも、きっと大丈夫だよ」

『…ティファ?』

「今ね、ちょっと想像してみたの。ずっと先の、私たちのこと」

『…どう見えた』

「それが……」

『うん』

「…今と、全く同じことで悩んでた」

『ふ……。なるほど』

「私たち、ずっとこうなのかもしれない。ずっと、何かを心配してるのかも」

『…俺たちらしい、か』

「ふふ、うん。私はそう思う」

『……。確かに、それなら大丈夫だな』

「?」

『…心配ごとが生まれるのは大抵、平穏なときだ』

「あはは、確かにそうかも」

『……。なあ、ティファ』

「ん?」

『…愛想をつかされないように頑張る。だから……この席にはずっと、座らせていてくれ』

「ふふふ……はい。わかりました」

『…ありがとう、ティファ』

「うん。……早く帰ってきて」

『ああ。まっすぐ帰る』

 

 

 

 

5th night

「となりにいさせて」

 

 

        


fin,